「パーソナルトレーナーになるには何か資格が必要なんですか?」「NSCAについて教えて下さい」という質問は、最近かなりよく頂く質問です。

パーソナルトレーナーは免許制ではないので厳密には「資格が無くても名乗ればできる」という状態です。
しかしそれは説得力の問題や保険の問題(相手が怪我をした時に問題になる可能性がある)、倫理的な問題などがあるので、無資格で行うというのは普通は推奨されません。(実際のところこの保険のお世話になる事はまあほぼありませんが、資格保持者しか入れない保険もあるので無資格だと怖いかも) 

パーソナルトレーナーに人気の資格としてはNSCA、NESTA、JATI、JHCAなどがあるでしょうか。
まあ自分はNSCAしか持っていないのでNSCAの話をします。



NSCA(
National Strength and Conditioning Association)の資格は CPT(Certified Personal Traine)とCSCS(Certified Strength & Conditioning Specialist)の2種類があります。


CSCSの方が上級資格で、ざっくり言うと大卒以上が受験可能、CPTは高卒以上で受けられます。(詳しくはhttp://www.nsca-japan.or.jp/04_certif/top.htmlで) 

受験するにはどうしたらいいのか?というと、受験資格がある人はまずNSCAの会員にならなければいけません(年会費1万ちょい)
(この会員になると、NSCAの過去誌のバックナンバーや、それに関する研究論文、受験対策講座ビデオ、各エクササイズのビデオや様々なサービスが視聴、利用可能になります。)

そしてこの会員になった後、受験の申請をします。しかし、受験の申請の条件で「CPR(心肺蘇生法)の講習を受けている事」というものがあります。
これは町の消防署や赤十字、その他様々な団体が行っている心配蘇生法の3時間の講習を受けて下さいねというものです(AEDとかを使うやつ)
(運転免許を取る時のものでは不可)
これは受験の申請時に持っていれば何の問題もありませんが、先に試験を受けてからその後1年以内にCPRを受けて修了カードを提出しても認められます。

最近はパソコン受験も開始され(各都道府県の試験会場には行きます)、出願もある程度パソコンで出来るようになって、試験日も自分で決められ、合否も即日出るようになり、かなり受験は楽になったようです。 
自分が受験した去年はまだパソコン受験は無く、三重県から福岡まで受けに行きましたw 受験料は4~5万円掛かります。



ここまでは受験条件の話をしてきました。そして気になるのは、「試験は難しいのか?」という事ですよね。 
CPTしか持っていない自分が偉そうに言えませんが、はっきり言ってどちらも難しくはありません。(CSCSも講座のビデオをいくつも見ましたが正直基礎的な部分です)
受ける前は難しそうに感じるかも知れませんが、受けてしまえば「こんなもんか」という感じです。
ただ正直なところ、自分は学生の頃から筋トレに興味を持ち、多少は無い頭を絞って色々知識を得ようとしてきました。ですのでこの試験を受ける前の時点で「全く基礎知識を知らない人」では無かったのかも知れません。ですから簡単に感じましたが、「全く体の事を知らない」という方から見ればどうなのかは、正直分かりません。ですがいずれにしろ勉強しても受からないような難しいものではないです。 

合格率は50~60%ぐらいのようですが、正直これは信じすぎず目安と考えるべきだと思います。マニアックな試験程勉強した人だけが来る可能性が高いですし、知名度が高い試験なら勉強してない人も来て合格率は下がるので、「行ったら半分以上受かるじゃん♪」という考えは危険かもです。
しかしCPTはあくまで基本的な部分が出ます。筋トレの話もですが、トレーナーとしてどのような指示をするべきかや、法律の問題、心拍数を求める計算なども出るでしょうか。

最初にビデオ問題というものが35問程出ます。 ここは少し難しく感じるかも知れませんが、ここであまり出来なくても諦めず次からの文章問題に進んでください。文章問題は割と簡単なのでビデオ問題が出来なくても十分受かれます。 
そして問題の中に「ノンスコアード問題」というものがあります。これはNSCAが将来の試験などの為にお試しで出している問題で、実は間違っていてもマイナスになっていない問題です。しかしどれがノンスコアード問題かは受験者は分からないので通常の問題と同じ努力量で解くことにはなるのですが、大体難しい問題はノンスコアード問題らしいです。ですから間違えた問題も実はノンスコアード問題かもしれないということです。
CSCSは解剖学の部分も少し出るようです。



個人的には、一度NSCAの会員になってみて、受験対策講座のビデオを購入して(1000円ちょっと)レベルを確認してみるのがオススメです。

試験の為のテキストや模擬試験もNSCAのホームページ
http://www.nsca-japan.or.jp/07_selling/top.htmlから購入できます。ここにある「パーソナルトレーナーの基礎知識」という本は700ページ程あり、これが家に来た時は「これ全部覚えなきゃいけないのか・・・?」と思いますが、実際にはこの中の基礎的な部分しかテストには出ません。訳の分からない長い計算や係数がどーのこーの、みたいな部分もたくさん載っていますが1つも出ません。

そして試験に合格すると証書などが送られてきます。
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↑こんなシールどこで使うんだw


申請をすればこんなふざけた名刺も作ってくれる優しい協会ですw(ダメ元で申請したら通りましたw)(有料です)

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そして最後に書きたいのは、NSCAの資格は「維持」するのに少し努力が要るという事です。
決められた期間(取得時の時期によりますが大体1~4年間)で、色々な活動をして決められた単位数を取らなければいけないというものです。(取得時期に合わせた目標単位数が命じられますので、取るのが遅かったら同じ量の単位数を短い期間で取らなければいけなくなるという事はありません。)


例えば私の場合、2017年の終わりまでに「4.0」 という単位数を取らなければいけません。
単位を取るには、全国各地でよく行われているNSCAのセミナーやフォーラムなどに出席(交通費&参加費は自腹)したり、ホームページからクイズに回答したり(有料&面倒w)、セミナーで講師をしたり(講師をするにはまた別の資格を得ないと出来ない)、論文やレポート、自己学習記録を執筆&提出(当然面倒w)したりしなければいけません(笑)

セミナーへの参加が一般的だと思いますが、1回のセミナー受講で貰える単位数は0.25~1.0ぐらいです。 
色々な単位の取得方法があるので全部セミナー受講で済ます訳ではないにしろ、0.5以上のものだけを受けに行ったとしても一般的には数回は受けに行く必要があると思います。
セミナーは大体1日仕事で、まあ興味のある話から興味のない話まで数時間聞く、というものです。
どこかの会議場や学校などで開かれる場合が多いでしょうか。 
セミナーでは提携メーカーの森永製菓さんからウイダーのプロテインバーが貰えますw


そして交通費や参加費も掛かるので結構お金が掛かります。
セミナー受講が面倒、という方は自宅で出来る方法だけである程度の単位を取る事も可能ですが、勉強内容によって単位もカテゴリー分けがされていて、各カテゴリーで取得できる上限の単位数も設けられているので例えば全部の単位をパソコンのクイズ回答
(1回の回答で1000円で合格時は0.2の単位付与)で済ます、という事は出来ません。
 
お金の面では、
年会費1万ちょっと×年数
受験のテキストやビデオなど購入 2万~5万
セミナー、クイズ回答などへの費用や交通費とセミナー参加費(2000~8000円程度)×受講回数
資格更新時のお金 数千円
などが掛かるでしょうか。  
学生の方はその辺りも考えられて目指した方が良いかも知れませんね。


だらだらと書いてきましたがNSCAの資格についてはこんな感じでしょうか。
資格の有用性というのももちろんありますが、維持する為に面倒な事もあるという事です。


管理人は三重県でパーソナルトレーナーをしており、直接指導と、スカイプで直接お話しながら様々な知識をご提供させて頂くスカイプパーソナルを行っておりますので、ご興味ありましたらぜひツイッターのリプライ、DMからご用命頂ければ嬉しいです(=゚ω゚)ノ

本日も有難うございました<m(__)m>